J( 'ー`)し「アンタ、明日も朝早いんだから早く寝なさい」
彡(゚)(゚)「マッマ! ワイお仕事辞めるで!」
J( 'ー`)し「え? ちょっと、冗談でしょ?」
彡(゚)(゚)「冗談やないで、お仕事ってのは本来はワイの人生を豊かにするモノでしか無いんやで」
彡(゚)(゚)「それなのに……今は仕事と言う存在が、ワイから安息を奪い、ワイの精神を擦り減らし、毎日の日々に苦痛を与える害にしかなってないんや」
彡(゚)(゚)「すまんな、もうワイは限界や……日々与えられるプレッシャーや責任、そして何より社会人としての常識を強要されるのはもう疲れた……ワイはリタイアするで」
J( 'ー`)し「……そう」
こうしてワイは仕事を辞めた。
何かをしたい訳でもなく、何かを成し遂げたい訳でもなく、ただ毎日の日々に疲れたという理由だけで、仕事を辞めた。 社会人としての責務を放棄したんや。
どんな人間も生きている限り、税金を納めなければならない。
それはやきう民にも言えること。
特に趣味も無く、お金は貯まる一方だったやきう民。
しかしお金は有限、無限に湧いてくるものでははない。
職を放棄したやきう民の貯金は、娯楽と税によってただただ減っていく一方。
通帳に記載された残高が45万を切っている様子を見て、やきう民は今の生活が永遠には続かないことを実感した。
彡(゚)(゚)「……いつまでもこのままはあかんか」
やきう民は近場のスーパーでバイトを始めた。
週に4日、フルタイムで働いて月収は約10万。
決して多くは無かったが、幸いにもやきう民は実家暮らし、この程度の収入で充分だった。
彡(゚)(゚)「……」セッセッ
何より、バイトをしてる時は心が穏やかだった。
あの頃PCに向かって仕事をしていた時は、毎日社会人としての責任や納期のプレッシャーで胸を締め付けられ、生きていた心地がしなかったが、
バイトは違った。 そんなプレッシャーを背負うことも無く、納期なんてモノも存在しない。
やきう民は何も気にせず、ただただ上から与えられた簡単な仕事を、淡々とこなすだけで良いのだ。
やきう民は終始穏やかな気持ちで、仕事に没頭した。
彡(゚)(゚)「よっ……」ズシッ
バイトによって得る収入が、税や娯楽にかかる費用を超え、少しずつではあるものの、やきう民の残高は徐々に額を増やしていた。
誰か助けてよねえまじで
彡(^)(^)「……」ピコピコ
彡(-)(-)「ぐぉぉぉぉ……」zzz
彡(゚)(゚)「それで職場のおばちゃんがな?」
J( 'ー`)し「へぇー、色んな人がいるものねえ」
結論からいえば、やきう民の生活は充実していた。
必要なだけの仕事をこなし、社会が求める税を収め、両親と時間を過ごし、そして好きなだけ自由を謳歌する。
彡(^)(^)「はぁぁぁぁぁぁ、最高やなあ」
人が理想と謳う生活が、そこにはあったのだ。
だが、その生活はいつまでも続きはしなかった。
生き物には寿命というものがある、誰しもがその事実を実感する時が来るのだ。
そしてそれはやきう民にも言えること。
彡()()「……」
やきう民の父親が天寿を全うした。
老衰による心肺停止だった。
その日からやきう民の生活は一変することになる。
J( 'ー`)し「ごめんね、あたしもパートには出るけどアンタにももう少し仕事してもらわらないと……」
今まで光熱費や家賃などを払ってくれていた父親がいなくなったことで、払わねばならないお金が増加、余裕がなくなったのだ。
彡()()「仕方ないンゴ……」
結果的に、やきう民は週3日に減らしていたバイトを週に5日、フルタイムで入ることとなった。
やきう民の母親もパートを始め、二人で何とか食い繫いだ。
彡(゚)(゚)「ワイこそ、今まですまんかったな」
そしてそれから約8年後、やきう民の母親も天寿を全うする。
シーン
彡(゚)(゚)「………」
残されたやきう民、これからやきう民が1人で家賃や光熱費、水道代などを払い、自分の食事を自らが作らなければならない。
彡(-)(-)「いよいよ……この瞬間が来たか」
すでに年齢は40代、出会いやリスタート、何をするにも厳しい歳。
それからのやきう民の生活には、かつてそこにあった自由や安らぎといった時間は、すっかりと消えていた。
そうでもしなければ、税や食費を払える余裕が無かったのだ。
彡(゚)(゚)「…………」
彡(゚)(゚)「もーあかんわ、こりゃ」
彡(゚)(゚)「すまんな……ゲームオーバーってやつや」
やきう民は両親と長年住んだ一軒家を手放し、アパートへの移住を決意した。
負担が少しは減ったものの、心にはポッカリと穴が開いたままだ。
彡(゚)(゚)「何でこーなったんやろな」
かつて生きる意味を見失い、持っていた職を捨て、自由な生活を手に入れたやきう民。
が、皮肉にも……彼はまた同じような生活を送っていた。
彡(゚)(゚)「ハァ……」
それから1年後、やきう民はずっと続けていたバイトを辞めた。 店長の静止も耳には届かなかった。
彡(゚)(゚)「………………」ボー
それからは暗い部屋の隅でただ天井を眺める毎日。
腹が減ったら買い溜めていたジャンクフードを食いあさり、コップ一杯の水道水を飲む。
彡(゚)(゚)「………………」ボー
もはや、それは理想の生活と言えるものではなかった。
彼の心は、完全に死んでいた。
彡()()「」
やきう民は部屋の隅でひっそりと息を引き取った。
47歳、孤独死だった。
自由を一途に求めた彼に待っていたのは、あまりにも残酷な結末だった。
(´・ω・`)「楽しいのは最初だけ、両親が死んだらもう楽しい時間も終わり、そこからは社会人と同じような暮らしが待ってる」
(´・ω・`)「そもそも、愛想を尽かされて家を追い出されても詰みだからね、だからフリーターはオススメしないよ」
彡(゚)(゚)「ほーーーん……」
彡(^)(^)「でも20年近く楽しく過ごせるなら、別にワイは孤独死でもええや! 辞職届書いてくるンゴ!!」ダッ
(´・ω・`)「心臓に毛でも生えてるのか……」
人生をどうするのかは、自分次第。
それがどのような結末を迎えようとも。
おわり