2/27(水) 15:23
スリランカの遺跡から約4万5000年前の人類が、主にサルとリスを食べていたことがわかった。
(中略)
熱帯雨林に位置する人類祖先の遺跡として貴重だが、ここで暮らしていた人々は
これまでの研究から木の実と野生生物を食べる狩猟採集の集団だと考えられてきた。
このファヒエン・レナ遺跡からは、熱帯雨林に生息する哺乳類、鳥類、爬虫類、
昆虫、軟体動物、植物などの化石が発見されているが、今回、研究グループでは
化石化する過程や化石ごとの総合的な分析学であるタフォノミー(Taphonomy)の手法を使い、
当時の人類祖先が何を食べて生活していたのか、体系的に調べたという。
その結果、年代ごとの地層で若干の違いはあるものの、発見された化石で最も多かったのが哺乳類、
特にサル(旧世界ザル)とリス(樹上リス)の骨が70%以上もあったことがわかった。
また、サルの骨は各地層で発見された化石の48.7%を占めた。
このサルについて研究グループは、おそらく現在もスリランカに生息するマカク属の
トクモンキー、コロブス属のカオムラサキラングール、ハヌマンラングールだったと推定する。
熱帯雨林でサルやリスを狩るのは容易ではないが、遺跡からは細かく細工が施された
狩猟道具の断片も発見され、サルやリスは狩猟の対象としてだけではなく、
狩猟道具の材料としても活用されていたようだ。研究グループによれば、
約4万5000年前ファヒエン・レナ遺跡で暮らしていた人類祖先の集団は、
サルやリスの狩猟に特化した技術を持っていたことが示唆されるという。
現生人類の各部族に対する研究でも、サルやリスにこれほど依存して生活する集団はほとんどいない。
なぜなら、特定の種ばかりを狩猟の対象にしていれば、やがてそれらの資源が減ってしまい、困るからだ。
そのため、食べる対象の多様性も重要だが、研究グループはファヒエン・レナ遺跡の住民は、
サルやリスを狩る場所を一定のサイクルで巡回し、資源が枯渇しないように
コントロールしていたのではないかと考えている。
(以上引用)
https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20190227-00116327/