9/7(火) 8:02 配信
「弊社が提供するサービス『popIn Discovery』は、国内最大級のネイティブアドネットワークです。いわゆる記事型の広告配信手法で、本来であれば『今読んでいるコンテンツ』と近しい広告を配信させる技術です。
広告も情報のコンテンツのひとつという考えのもとにWEBサイトをネットワーク化し、広告配信を実現させたものなのですが、本来の使い方からどんどんかけ離れていってしまっていることへの違和感も拭えず、広告審査基準を今年の5月25日に引き上げました。差別的な表現であったり、コンプレックスを過剰に煽ったりする内容の広告は配信を停止するようにしました。
正直なところ、コンプレックス広告はシェア率も高いのでビジネス的には苦渋の選択ではありました。ただ、消費者にとって広告は“見させられているもの”であって、自ら望んで見ているものではないわけです。ただし、正しい情報接触ができれば、広告も情報コンテンツのひとつとしてできることがあるはずでした。
しかしどんどん過剰になっていくことも含めて、見ていて不快に感じるという声も多く、またどこまでも過剰になっていくことがあってはならないと思いますし、まずは自社の倫理観向上のためにも決断しました」
「ビジネス的に苦渋の決断」と語った西舘氏だが、こうした広告はやはり利益を大きくあげる側面もあるそうだ。
「コンプレックス広告は『モテたい』『お金が欲しい』『自信のある体になりたい』など、社会に深く根付いたコンプレックスに訴えかけるものなので、過剰に煽る要素が高いんです。また、こうした広告は消費者の年齢層や性別、そこから類推される趣向を分析して配信する技術もありますし、本来社会をよくしていくための技術が、生活者を過剰に煽って購買行動に直結させるために使われるようになっています。
それが収益性に直結していたこともあり、だからこそ広告主や広告代理店側はやめられず、また配信プラットフォーマーや配信先メディアもあくまで一部の方達の中では、周りがやっているんだからいいでしょ……という空気感が業界に蔓延しているのです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9a8a593f0daeb51721db1a7a92a512a7ff4ab01f?page=1